六番隊の隊長と副隊長が揃ってシムの世界にやってきた。
「これはウサギ小屋ではないのか?」
「隊長…。これが一般的なサイズです。それに俺ら金ないんでこれが限界っすよ」
「使用人もいないのか?」
「メイドさんなら雇いました」
四大貴族のボンボンは些か不満げだったが。
それでも。
隊長は「帰る」ときっと言うだろうと。
それを止める苦労を覚悟していたのだが。
「これはなんだ?」「どう使うのだ?」
この場所に慣れようとしている姿に、恋次は呆気に取られてしまう。
「そういえば。先日、市丸の所で火事があったらしいな。」
「あー。更木隊長が出火の原因らしいっすね。」
「よし、恋次。料理を学べ。」
「え?俺がですか?」
「私に料理を学べと?」
白哉に睨まれたが、ここは引けない。
引いてうっかり料理でもされてみろ。
更木隊長とと同じ目にあうのがオチだ。
「隊長もお願いします。」
「仕方ない…。」
渋々ながら料理書を手に取る白哉。
瀞霊廷にいる時では考えられないような素直さで。
恋次はこっそりと。
案外うまくやっていけそうだな、と安堵の息を洩らしたのだった。
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